新宿カニ

 私は肩幅が異様に広く洋服選びは「既製品」があうためしが殆どない。胸囲も110センチを越えており、高校時代は「トイレのマーク」が近づいてくると友人にいじられていた。

成人して「お姉ちゃん」がいらっしゃる夜の社交場にデビューした当時、意味もなく「背中から抱きつかせて欲しい」と夜の蝶達に強要されることが多かった。悲しい事や辛い事があるたびに背中をかして早30年。

不惑のカニおじさんの背中を欲してくれる貴重な存在は「実家のさかりが付いた雑種犬」だけになりつつある。あーいとおかし。

 

 

 

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